毎日歯を磨いている子はなかなかいないと思います。しつけ訓練の一環で、歯磨きを訓練する事も増えてきていますが、なかなかです。
人でも、歯垢が付き、ある程度時間がたつと歯石になります。犬は虫歯は少ないものの、歯石はこんなに付くの!?というくらい沢山歯石が貯まってきます。これを外っておくと、歯肉が炎症を起こします。最後には歯の根っこまで膿んできて、鼻の病気や、目の病気、内臓の病気にまで発展することがあります。
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スケーリング処置前 | スケーリング処置後 |
歯の処置には、必ず全身麻酔が必要です。スケーリングと言って、超音波の器械を使って歯石を除去します。上写真(ビフォー・アフター)
無麻酔で表面の見えている歯石をはがすことはできても歯肉の間の歯石や、歯の裏側の歯石を除去するのは困難です。しかも歯石(バイ菌の塊です)は、歯肉を押して行き、歯の根っこを駄目にしてしまいます。(下写真)そうなったら抜歯するしかなくなります。
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大体の子は、ある程度年をとってから処置を希望されますが、毎年スケーリングを希望される方も見えます。早めの処置をお勧めいたします。
最近の小型・超小型犬では、乳歯が永久歯と入れ替わる時期を過ぎても残っている子がかなり多いです。歯の抜け変わりは、3から5カ月の間で行われますが、この時期を過ぎても乳歯が残っている場合は注意が必要です。(下写真)
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処置前 | 抜歯後 |
乳歯と永久歯の間に歯石が貯まって歯肉炎を起こしたり、隣の永久歯の根っこを化膿させたりと、いいことがありません。
多くは、避妊・去勢の手術の際に麻酔をかけるのでその時に一緒に乳歯を抜いてしまうことが殆んどです。
心当たりのある飼い主さんは一度ご来院下さい。